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昭和元禄落語心中~助六再び篇~ 感想

原作:雲田はるこ

監督:畠山守

アニメーション制作:スタジオディーン

 

 

落語人気が完全に下火となったこの時期、芸を磨いた与太郎は真打に昇進し、小夏の父の名跡を継いで三代目助六を名乗ることに。その頃小夏は未婚者で妊娠し、見かねた助六から夫婦になろうと迫られ戸惑う小夏。一方、過去の因縁と迫り来る老いと1人孤独に葛藤していた八雲を病魔が襲う。信之助の誕生、落語保存の活動を始めた作家・樋口の出現など、否応なく進んでゆく時代の流れに巻き込まれながら変化してゆく八雲、助六、小夏の人生と、八雲が一度は自らと共に滅ぼそうとした「落語」の行く末が描かれる。

 

1番はキャラクターが立っているのが魅力かと思います。全員芯がある。ブレない。噺家だったら何のために落語をやってるか。言葉や間、表情で伝えてくれる高品質なアニメです。

 

八雲の死後、死後の世界で1話使うのは相当斬新な気がしました。アニメを見ている側としては八雲が死んだところで終わるのではなく人生のエピローグというべきか、死後の助六みよ吉との対話までで真の落語との心中だと、描写の奥深さを感じました。

 

八雲・助六の時代から与太郎の時代、すべての時代を1人で見届けてきた松田さん。最後には自分も噺家も志した時があったと話します。名人の事故や死を間近で見届けてきた松田さん。OPで2枚目のカットに出てきていたことを思い出し、彼もただの脇役に収まり切れない人物だったんだなあとしみじみ思います。95歳はちょっと笑ってしまったけど。

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