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ちーぴんの「笑いは血、アニメは肉」

アニメ・お笑い賞レースについて

R-1ぐらんぷり2017 決勝の感想

お笑い

 

 

決勝から10日経ち盛り上がりも下り坂になった今、改めて見て感想を書いていこうと思います。

 

Aグループ

レイザーラモンRG(よしもと)

今回は(やっぱり)ドナルド・トランプに扮して登場。既に何度かかけているキャラクターではあり、今回は歌にのせてのあるあるは無し。トランプはコンビでのネタで1回見たけど、その時にはあった「Get out here!!」のセリフが無かった。テンポをつけるためにはあったほうが良かったと思ったが、アロンアルフアの下りがあるので入れない方がいいと判断したのだろうか。最初の「フジテレビオーナー」発言もどこかに聞いてくるかと思ったけど、最初で終わったので、○○peopleを1つ2つ削って入れる必要はあったのか?と少し物足りなかった。

「のぞみイズオールスルー!!」くらいからちょっと温まってきた感じはあって、でもちょっと遅かった。やっぱりトップバッターって難しいね。

リアタイ視聴では面白いの分かってたから、結構笑ってた。最後の「三遊亭好楽です!」はマジで面白い。1ネタで直後も5秒後も面白いって凄い。

 

横澤夏子(よしもと)

最初からずっと引っかかってたんだけど、犬ってああやって連れていくの?チャリのスピードを延々走らせるって鬼畜すぎない?

今までのウザい女とは少しテイストが変わって、より「いそう」な母親を演じている。見た目や喋り方のいるいる感は流石の得意分野。更には警察にバレそうになるときの、「『なぁんでこんなに乗ってるんですか?』って。」発言で観客の声を代弁してくれて、後の「中国雑技団です。」という例えツッコミで笑いを取る。流れとしてはよかったと思う。ただ後半の弱弱しさったらない。子どもとおばあちゃん(と警察?)から解放された母親も見せて1つだと思ったので、「あぁ~軽い!」だけじゃあ弱い。

清水ミチコ「集中力が凄いなって思った。」

 

三浦マイルド(よしもと)

前回同様フリップネタで勝負。同じ言葉でも違うシチュエーションで聞くことで違う意味にとれる、ある意味なぞかけのようなネタ。Aブロック個人的1位はこれ。

最初はなるほど面白いと納得させる、面白いより上手いを重視させておきながら(ボクシングと立ち飲み屋で「いいカウンターだな」など)、後半には、明らかに片方でしか使わない言葉を無理矢理組み込んでいる(保育園と任侠映画で「どこの組のもんじゃ!」)点が策士である。これがネタの緩急になっているのだろうが、テンポとしては全体的に早い。セリフによっては少し溜めて言った方がよさそうな言葉もあったので、前半にネタのノウハウを理解してもらう意味も含めて、物理的な緩急には改善の余地があったのではないか。まぁナイツで言う「弱いネタを重ねて打つ手法」だったというのならばそれまでだけど。 

関根勤「本当にマイルドになった。」

 

サンシャイン池崎(ワタナベ) [復活ステージ3位]

今見返すと、このネタ、勝負ネタだったかも。「そんなオシャレなコント、できませ~ん!」って1回しかできないもんな。

復活ステージからの勢いをそのままネタにぶつけ、否が応でも笑わせられてしまった。最初の「メイちゃんで~す!」で観客の心を掴んでいた。トトロが始まってから、ずっと笑いっぱなしの人もいたと思う。そして最後の「1分42秒!シェーーーイ!」である。何が「シェーーーイ!」なのか。途中から明らかに1分を超えている感覚があったので、それも面白かった。それが面白いんだけど、不必要なところで叫ぶのは自分の体力を削るだけだから2本目を見据えるなら多少抑えた方が良かったんじゃないかなあ。ここで抑えないのが、池崎の良さなんだよね。

関根勤「勢いにテクニックが入って面白くなった。」

清水ミチコ「芸風嫌いなんですけど、お客さんを好きにできていた。」

 

Bグループ

ゆりやんレトリィバァ(よしもと)

まずは清純派女優のような雰囲気のなかにいるゆりやんの体格。2年前の授賞式のネタと似たような内容だが、その時に比べて共感できるネタが少ない。「で?」とか「ん?」ってなるのが多かった。途中舞台を広く使って笑いを誘うシーンでは確かに意外性はあったが、動くゆりやんを去年やってるから…

蒼井優、土屋太鳳、あたし。」は笑った。

 

石出奈々子浅井企画

ジブリ作品をトトロしか見たことがないので池崎の時は助かった。タイトル通り「ジブリのヒロイン『っぽい』女の子」で、僕みたいなジブリ情弱でもギリギリ分かる範囲に留めてある。万人ウケするような上手い戦略だ。ジャンプの仕方とか、張り切って腕をまくったりするシーンも、どのシーンなのか、そもそも存在するシーンなのか全く分からなかったが、ありそうで笑った。もっとウケても良かったと思うけどなあ。そして恐らく決勝点となった「不思議~。」のシーン、あれはカメラワークが卑怯すぎる(もちろん元が面白い前提)。あれはもう、面白くしかなりようがない。更に2回目の「不思議~。」だが、倒れるタイミングを早めている。石出の流れになった瞬間を見た。あとは掛布雅之でダメ押し。はいお疲れさまでした。

清水ミチコ「女の人が、異様な女の人を演じると勝つな。」

ヒロミ「抜群ですよね世界観が。」

 

ルシファー吉岡マセキ芸能社

大化の改新を悲しむ」

↑うーん。もう面白い。

この分からなくもないという加減が絶妙だ。吉岡先生は予想だにしない出来事に慌てながらも生徒を尊重する大変な状態だが、視聴者は他人事なので面白いと感じるだけでいい。更に蘇我氏が滅亡したことを教えると、泣いたり黙祷する生徒に完全に置いてけぼりにされている吉岡先生。吉岡先生の生徒への発言で教室がどんな空気になっているか、シンプルな言葉ですごく分かりやすくなるのが本当にすごい。その後の「もう少し歴史と距離置こう!」も、あくまで教師という立場からの的確なアドバイスであり、吉岡先生のやさしさがにじみ出ている。教室全体の、異常ではあるがいい異常と形容したい雰囲気は味わったことがない。

そんな先生のダムが最後に決壊しかける。「そんなんじゃ信長ん所耐えらんないよ!」人と人との仲裁に振り回される人を、歴史を使って表現する。いやほんと、すごい。

 

紺野ぶるま松竹芸能) [復活ステージ2位]

いそうな人に毒を吐く、オーソドックスなスタンスのネタ。強いて言えばゆりやんと似ているか…と思っていたら、「男友達といる女子」のところで先ほどのゆりやんのネタがちらついた。全員が全員ではないだろうが、運が悪かったか。

BIGBANGと三代目の下りは共感したのですっきりした。途中から占いというより、偏見を押し付けて罵声を浴びせる機械になっていくのも面白い。一見完璧なスチュワーデスにはオリーブオイル漬けの生活で背中が汚いと無茶苦茶な言い草。エロなぞかけ以外にもこういうネタが出来るのかと驚いた。

あと、RGの時はともかく、「なんで代々木住めるんだよ!」とかいうツッコミ、地方民には全然ピンと来ないんだよなぁ…

 

Cグループ

ブルゾンちえみ(ワタナベ)

期待度ではNo1だったかもしれない、それが裏目に出たか、多少ネタを飛ばすミスを犯す。だが今考えると、今までネタを間違えるような芸人が出てきていないことが驚くべきことではないか。事前にwithBがいなくて大丈夫か?他のネタをするのか?と考えていたが、以外にもストレートにお馴染みのフォーマットで挑んだ。結果論でしかないが、2年目であること、withBがいないこと、3分ネタの経験が浅いこと、などいろいろあるだろう。元々ブルゾンにハマってないのでトゲのある文章になりかけているが、別に面白くないわけでも、失敗したのが悪いわけでもない。改めて見るとそこまで致命的か?とも思う訳で。

ただ「35画。うそ15画。」の流れはスポーツマンシップならぬコメディアンシップとしてはイエローカードだと判断している。知名度=成績の構図が成り立ってしまいそうだからね。なんにせよ、この経験をバネに頑張ってほしい。

 

マツモトクラブ(SMA)

沢山の人がいるホーム、雪のせいで変なテンションになっており、大声でどうでもいい会話をする総務がいる。最初はうんざりするものの、地元が一緒というだけで心を開いてしまうというもの。こう見ると、地元が一緒という親近感とホームで大声で話す非常識を天秤にかけた結果がおかしいだろ!と言うのも妙で面白い。

全体的に「ホームにはたくさんの人がいる」という天の声を入れることで、異常さをキープしつつ、嫌悪感から親近感への2つの展開が用意されていた。展開や完成度は流石の出来、見直すたびに自分の中でこのコントの凄さが増幅していく。

3回目くらいにふと思ったが、溜めこんだ雪を見せるのはもっと後の方が良かったんじゃないか?少なくともジャッキーチェンのくだりより奥にしまっておきたいことだから、その後にすべきではなかったか。

いやしかしこのコントの完成度、更には「のぞみスルーするとこー!」という天の恵みをもってしても0ポイントとは。流石に意外な結果だった。

 

アキラ100%(SMA)

R-1ぐらんぷりをリアルタイムで見るのは8回目になるが、好きな芸人が勝ち上がるのは嬉しい。好きな芸人が自分にドストライクなネタをやってくれるのはもっと嬉しい。最初の花火で大爆笑した時に感じた感覚、僕は2011年優勝者佐久間一行の、井戸のネタを思い出した。この時も佐久間が井戸から出てきた瞬間、大爆笑した。6年ぶりに60兆の細胞で笑えたこと、本当に幸せに思う。参列者には申し訳ないが、葬式で流してくれてもいいくらい好き。

ちゃんと自己紹介でも笑いを取りつつ、年齢的にはおっさんなのに無駄に爽やかな笑顔、それなりの肉体美、裸なのに正装っぽく感じてしまう蝶ネクタイ、一見単純なネタの中に緻密な構成や発想が組み込まれている。それなのに完成するのは円盤投げの準備中に関根さん?が漏らした一言、「くだらねえ」。この無駄、トリビア的要素が素晴らしいと感じている。ニコニコ動画のタグで「才能の無駄遣い」というのがあるがこれに近いものがある。R-1は完成度よりも、アホが勝つ傾向にあるのかもしれない。

板尾さん「ナンセンスな笑いにスリルがプラスされると大爆笑になるんだなって。」

 

おいでやす小田(よしもと) [復活ステージ1位]

敗者復活仲間が自分の事のように喜びながら送られていったシーンが印象的。実力は認められている、M-1でのパンクブーブーのような感じかな。

去年とほぼ同じネタなのにこんなにも評価が違うのは何故だろう。恐らく注文のくだりと一人二役を演じるくだりだろうか。何気なく使っている日本語にメスを入れるという点では、「厚切りジェイソン」と通じる部分がありそう。実際いたらウンザリしそうな彼女の返答を毎回毎回正確にツッコむ小田の苦労っぷりがよく見える。そんな中ある種共犯ともいえる店員にキレだしたことで、席に座っている彼女と(観客から見て)縦の会話をしていた小田が、今度は横に会話をしだす。この目に見える変化がいない店員にリアリティーをもたせているのではないか。最後、手を叩いて店員が来てしまうオチも良かった。

見返して分かった、去年はザコシショウの後だったのか。2年連続、裸の優勝者の後にネタ…不運だな。

板尾さん「1人で全部表現するのは達者だな。」

文枝師匠「言葉の積み重ねが凄く良かった。」

 

 

Final Stage

サンシャイン池崎

まず「誰しも共感」と銘打っておいて、(でっかい剣持ってる系)『男子』あるあると言うところが凄い。今回は意味不明なタイトルの出来事をどういった経緯で着地させるのか、という流れ。終点を縛り経緯で笑わせる点で、なんとなく「ゴー☆ジャス」っぽい。もちろん終点までの経緯を予想されてはいけないが、「結」の部分が特に意味不明だし、たどり着くまでが本当にメチャクチャだ。自分自身で設定したルールの中では、申し分ない素晴らしい出来である。疲れて素が出ていたのも、狙っていたかはともかく結果オーライ。BKBのスタンスを汲んでいるように見え、最初のアオリVTRも手伝って2人の友情が垣間見えた。1つスッキリしなかったのは1つめの「ピーナッツ!」。去年もしてなかったか?

 

石出奈々子

デジカメまでは予選通り。その後暗い雰囲気の曲がかかり、(多分)ジブリのシリアスシーンも引用したことで予選のネタとの差別化を図った。ただ、1回目の暗い曲がかかるシーンで、口調が変わるのが少し遅れた。2回目は曲がかかってから「口調変えなきゃ!」というスタンスで口調を変えるのが笑えるのは分かるが、セリフを言い終わる前に暗い曲がかかったのは少なからずミスと捉えてしまう。

あと最後の飛行石。ごめんおれ知らんかったわ。880560は分かったけど。時事ネタとかもそうで、こういうマニアックなところをどこまで攻めていいかは難しい所だろう。全員が知っているのってほぼ不可能だし。

 

アキラ100%

ハードは予選と同じでソフトのみ入れ替えているが、お手玉の凄さには驚いた。麻雀牌を積むのは見にくいし人を選ぶしどうかなとも思ったが、三代目の新しい魅せ方は素晴らしかった。決勝にとっておいたのは正解だ。こういうところからも戦略が運よくハマったのが伺える。

 

 

総評

R-1はM-1とタイトルが似ているが、違う。R-1から売れた人間がいないという記事を毎年見る。まあその通りっちゃその通りなんだけど、M-1サンドウィッチマンみたいなM-1ドリームを求めるのはあまりにも酷な話ではないだろうか。M-1と比べると視聴率も知名度も低いし。

今回のような年に1度の大会で何を決めているかと考えると、まあ「1番面白い(ピン)芸人」なのだが、「今日1番面白い(ピン)芸人」だと考えている。これが来週やってたら誰かがもっといいネタを作り上げたかもしれないし、池崎が営業で喉を潰してたかもしれない。ブルゾンの出来がもっと良かったかもしれないし、アキラがお盆を落としてたかもしれない。準決勝敗退したアイデンティティ田島が決勝に残っていて、優勝していたかもしれない。結果、細かいところは「運」という言葉で片付いてしまうのだ。優勝しないと売れないわけじゃないし、石出奈々子もちょくちょく出るだろう。

結局アキラ100%が好きで面白かったと思っているからこんなことを書くのであって、去年のザコシが優勝した時にこんなこと言ってたかと聞かれたら言ってないと答える。ザコシを面白くないとは言わないと思うけど、こっちの方が…とは言う。結局は相当完璧な結果でない限り、後付けの意見は無くならないのだろう。

ただ去年と今年の優勝者を「裸芸」で片づけるのはどうなのだろう。少なくともザコシは裸芸ではないのではないか?分かってほしいのは、「裸芸=誰でもできる」ではないこと。ザコシのモノマネも、アキラのネタも、この2人しか出来ないから優勝したのだ。そのことを分かってほしい。面白い面白くないは置いておいて、芸人をすごいと思ってほしい。発想・着眼点・技術・努力・センス…なんでもいいからすごいと思ってほしい。

 

色々考えて、これだけ書いて、思う。

僕はお笑いが好きなんだなぁと。